オーダーメイドシューズをオーダーする前に知っておいていただきたい情報・知識をご紹介しています。オーダーメイドシューズで、理想の一足を手に入れよう!

プロが丁寧に解説! オーダーメイドシューズ(レディース)の種類・値段と選び方のポイント

2024年11月更新

はじめまして。
オーダーメイドシューズ (

シュープレモのこだわり(3):ここが肝心「木型の使い分け(ワイズ別)」

何かを複数製造するためには、大抵「型」を用います。
例えば、クッキーの抜き型もそうです。効率よく、同じ形のクッキーを作ることができます。

靴にも「型」があり、「木型(きがた)」と呼ばれています。
その型に革などを被せて、靴を作っていきます。
昔は木で型を作っていたため「木型」と呼ばれていますが、現在の木型の多くはプラスチック製です。

初めて木型屋さんに行ったときのことを、私は今でも鮮明に覚えています。
シュープレモを立ち上げる前で、毎日パンプスを履いているものの、痛くて絆創膏が手放せない日々のことでした。

探しても足に合う靴が全然ない
>オーダーメイドは高いし、コンフォート寄りのデザイン
>それなら理想の靴を自分で作っちゃう?!
という流れで、手始めに木型を探しに行ったのでした。

見せていただいたのは、木型の山、山、山!!
靴はデザイン毎に異なる木型が必要なため、広い倉庫に無数の木型が山積みになっていました。
この中になら私の足に合う木型があるかも!!と、期待に胸が膨らみました。

ところが、その期待はすぐに脆くも崩れ去ります・・・そう、そこには「幅狭ワイズ」の木型は一つもありませんでした。無数の木型が山積みになっているのに、幅狭ワイズは全くなかったのです。

そこで私はようやく悟りました。
探しても探しても足に合う靴がないのは、やはり幅狭靴が全く作られていないからなのだと。

また、市販の靴にはほぼワイズ展開がないことも目の当たりにします。
幅広の2E/3E/4E展開の木型は、少ないけれどありました。
ですが、私の足は細幅かつ左右でサイズ・ワイズが違うのです。両方の足にぴったりの靴を作るためには、ワイズ展開が必須でした。

そんな非常に個人的な理由で、木型屋さんにとっても初となる幅狭の木型を作ってもらい、シュープレモは創業当初から幅狭・ワイズ展開の木型と共にスタートしました。(もちろん、左右サイズ違いもできるようにしました)

ところが、世の中には、ワイズ毎に木型を使い分けずに靴を作っているところがあると後から聞いて、びっくりしました。聞くと、例えばD幅(例:足囲200mm)の木型で作った靴に、分厚い敷きパッドを入れることでC幅(同194mm)やB幅(同188mm)の靴として販売しているそうです。

確かに計算上の足囲はB-C幅と同等になりますが、靴の幅はD幅の広さのままパッドで厚みが潰されるだけなので、B-C幅の木型を使っている靴とは全然違う靴になってしまいます。
(靴の幅が広いまま厚みを潰して前滑りを止めようとすることは、足の形・アーチ構造を潰すことになり、足にとって非常に負担が大きくなります。また、足囲が細い人は、基本的に土踏まずやカカトの幅も細いはずなのに、土踏まず/カカト幅がD幅のままであれば、当然サイド部分に隙間が空いてしまいます)

なぜワイズ別に木型の使い分けをしないかというと、コストの問題だと思われます。
木型はデザイン毎に必要なので、ワイズ展開をすればするほど、数が膨大になりコストが増えてしまうのです。

ですが、シュープレモは高いフィット感の実現には、「ワイズ別の木型の使い分けはマスト」だと考えています。
コストがかかるとしても、そこは譲れない、シュープレモのこだわりです!

「同じサイズ・ワイズ表記の靴なのに、履き心地が全然違う!」とお客様によく言っていただくのですが、木型をワイズ別に使い分けていなかったり、幅と厚みの設計が違ったり、部材や靴の作り方が違ったり・・・様々な理由で違いが生まれています。

※過去記事はブログに掲載しています
シュープレモのこだわり(1):熟練職人の「手づり」
シュープレモのこだわり(2):縁の下の力持ち「部材」は独自開発!

 

シュープレモのこだわり②:縁の下の力持ち「部材」は独自開発!

アウトソールや中底、そしてカウンターといった靴の「部材」をご存知でしょうか?
シュープレモではアウトソールの色を選べるため、どこの部分かご存知の方が多いと思います。
一方、中底やカウンターは見えないところに使われており、ほとんどの方は目にしたこともないと思います。

ですが、ですが、ですが!
先月ご紹介した「手づり」に続き、靴のフィット感に影響を及ぼす重要ポイントなのです!!

シュープレモのこだわり①:熟練職人の「手づり」

靴のフィット感を握るカギ・・・それは何だと思いますか??

木型でしょうか?
上質な革でしょうか?
カカトの形でしょうか?

上記はいずれもフィット感を左右するポイントではありますが、見た目にはわからないけれどもとても重要な要素として、「釣り込み(つりこみ)」があります。

「釣り込み」は、アッパーの革・カウンター(形状を保つための芯材)・裏革という3種類の部材を、木型にぴったりと沿わせて引っ張り、靴を形造る工程です。この3種類の部材を「場所ごとに」「それぞれを異なる力加減で」引っ張ることで、絶妙なフィット感が生まれます。

どんなに足に合う木型でも、上質な革でも、カカトの形でも、この「釣り込み」がうまくいかないと足に合う靴にはなりません。
靴は「革が化ける」と書きますが、まさに「革が化ける」工程がこの「釣り込み」なのです。

革は一枚として同じものはありません。
そのため、革の状態を確認しながら、場所ごとに3種類の部材をそれぞれに異なる力加減で引っ張りながら、釣り込んでいきます。
これにより、

「オーダーメイドシューズ」という選択肢

理想の一足を「探す」から「つくる」へ

あなたの理想の一足はどういうパンプスですか?

足が痛くならない、疲れにくい、歩きやすい、走れるといった「性能面」の条件もあれば、ヒール7cm以上、色はピンクベージュ、素材はエナメルといった「デザイン面」の条件もあると思います。

ただし、「こういうパンプスが欲しい!」と思い描いていても、なかなかそんなパンプスに出会うのは難しいもの。特に、「デザインは理想的だけどちょっと足が痛いかも・・・」というように、「性能面」の条件は「デザイン面」の条件より優先順位が低くなることが多いですよね。そしてまた履けないパンプスが増えていくという悪循環・・・

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