靴のフィット感を握るカギ・・・それは何だと思いますか??

木型でしょうか?
上質な革でしょうか?
カカトの形でしょうか?

上記はいずれもフィット感を左右するポイントではありますが、見た目にはわからないけれどもとても重要な要素として、「釣り込み(つりこみ)」があります。

「釣り込み」は、アッパーの革・カウンター(形状を保つための芯材)・裏革という3種類の部材を、木型にぴったりと沿わせて引っ張り、靴を形造る工程です。この3種類の部材を「場所ごとに」「それぞれを異なる力加減で」引っ張ることで、絶妙なフィット感が生まれます。

どんなに足に合う木型でも、上質な革でも、カカトの形でも、この「釣り込み」がうまくいかないと足に合う靴にはなりません。
靴は「革が化ける」と書きますが、まさに「革が化ける」工程がこの「釣り込み」なのです。

革は一枚として同じものはありません。
そのため、革の状態を確認しながら、場所ごとに3種類の部材をそれぞれに異なる力加減で引っ張りながら、釣り込んでいきます。
これにより、ただ「木型に沿っている・靴の形になっている」だけではなく、木型を抜いた後や、お客様が履いてからの締まり感に違いが出てくるのです。

想像に難くないと思いますが、これは相当難しい技術で、ShoePremoでは熟練の職人が担当しています!

ところが・・・

釣り込みがフィット感を左右する重要ポイントの一つなのに、多くの靴は「機械づり」で作られています。
(熟練職人が手作業で釣り込むことを「手づり」と言い、機械で釣り込むことを「機械づり」と言います。)

機械が革の違いに合わせて、アッパー・カウンター・裏革を、場所に合わせて、それぞれ違う力加減で引っ張る・・・ことは、できません!
ガシャン、ガシャン、とまさに機械的に靴を形造っているわけです。

機械釣りにも良いところはもちろんあります。
短時間ででき、コストが低くなるため、大量生産に向いているのです。

一方、手づりはコストが高く時間もかかりますが、高いフィット感の実現には必要不可欠であるため、ShoePremoではすべて手づりを採用しています。

幅狭足の特徴を捉えた木型づくり、上質な革の選定、抜けにくいカカトの形状など、ShoePremoではどれもこだわり抜いて作っていますが、フィット感は熟練職人の高い技術によって支えられています。

熟練職人の技が光るシューズを、ご愛用いただければ嬉しいです!