お気に入りのパンプスは、出来るだけ長く履きたいですよね。

そこに立ちはだかるのが「革の伸び」
靴には一歩毎に、体重以上の負荷がかかるので、革は次第に伸びていきます。
でもこの「革の伸び」、実は履き方次第で変わってくるのをご存知ですか?

1. 毎日履かない!
2. 固めの革を選ぶ!
3. ヒールティップ(リフト)をマメに修理する!
4. 歩き方を見直してみる!

1. 毎日履かない!

痛くない、快適なパンプスが一足あると、そればっかり履きたくなるもの・・・
ですが、パンプスを長持ちさせるためには、毎日履くのは避けたいところです。

その理由は、汗。
足は意外なまでに汗をかきます。
(私自身、初めはいまいちピンとこなかったのですが、
よく観察すると、靴の中は確かに湿っています。)

革の加工において、伸ばすときには、湿らせて温めて力を加えて伸ばします。

一日の汗を吸って湿った靴を、乾かさずに体温で温めながら歩く負荷をかけ続ければ、
革が伸びやすくなることは想像に難くないと思います。

伸びを抑えるために一番必要なことは、湿気を取ること!

例えばお仕事等で平日は毎日パンプスを履くという方は、
快適に履けるパンプスを3足程度確保して、ローテーションすることをオススメします。

「一足を毎日履いて、履きつぶす x 3足」よりも、3足ローテーションのほうが、
トータルでは靴が長持ちします。

2. 固めの革を選ぶ!

フィッティングの際にお伝えしているので耳にタコかもしれませんが、
「固い革=革が伸びにくい」というメリットがあります。

ShoePremoでご用意している革で言えば、

エナメル
カーフ
ヌバック

などが該当します。

特に「こんにゃく足」や「回内足」など、「土踏まずが柔らかい」方には、
足をしっかりホールドしてくれる固い革がオススメです。

もちろん、スエードなどの柔らかい革のパンプスを、
数年間にわたり履いてくださっているお客様もいらっしゃいますが、
足が整う(引き締まる)までは比較的固い革のほうがオススメです。

3. ヒールティップ(リフト)をマメに修理する!

これ、意外と大事です!!

ヒールティップ(リフトとも呼びます)とは、
ヒールの一番先端にあって地面に接する「プラスチック」部分のことです。

歩き方の癖や足の特徴が大きく出るところで、
ヒールティップ(の内側または外側)が「すぐにすり減っちゃう」という方もいらっしゃいますし、
逆にほとんどすり減らないという方もいらっしゃいます。

(足の構造と歩行のメカニズム上、ヒールティップの外側の方が少しだけ早くすり減るのは正常です)

すり減ったら街の修理屋さんでヒールティップを交換する必要があるのですが、
行く時間がなかったり、はたまたすり減っていることに気づかずに放っておいてしまうことも・・・
(かくいう私も昔はそうでした!)

そうすると、ヒールが傾いた状態で履くため、足に悪いだけでなく、
パンプスにとっても土踏まずからカカト部分に偏った荷重がかかることに。

実はパンプスの土踏まず部分は非常に弱いところなので、
これにより履き口がパックリと広がってしまう、なんてことにもなります。

身体全体のバランスのためにも、ヒールティップがすり減った状態で履くことはいいことではありません。
歩き方の癖や足の特徴をすぐに変えるのは難しいので、
足と靴のためにヒールティップの交換はコマメにやっていきましょう!

4. 歩き方を見直してみる!

上記3にも通ずるところですが、パンプスを広げやすい歩き方というのがあります。

歩き方と靴のフィット感は切っても切り離せない関係で、
歩き方次第で革を伸ばしやすいだけでなく、カカトがついてこない、なんてこともあります。

普段、無意識に歩いているので歩き方を急に変えることは難しいですが、
どのパンプスも履き口がパックリと広がってしまうという方や、
上記3のヒールティップがすぐにすり減って傾いてしまうという方は、
歩き方を見直していただくきっかけになれば幸いです。

なお、幅狭さんはこれまで、合わない靴を脱げないように「工夫」しながら履いてきているため、
どうしても歩き方に癖がつきがちです。
また、その歩き方の癖が原因で、「カカトが傾く」「土踏まずが柔らかくなる」など
足にも影響があったりします。

「卵が先か鶏が先か」の話になってしまいそうですが、歩き方が原因でカカトが抜ける場合も、
まずは「カカトがついてくる靴」がなければ、靴を履いたときの正しい歩き方は身につきません。

「ヒールの高さのある靴を履くこと」は筋力を鍛え、足を整えていくことに効果的ですので、
「足に合ったパンプスを履きながら」歩き方を意識していただくのも大変オススメです。

以上、ご参考になりますと嬉しいです。