「パンプスやヒールが痛い本当の理由」で、自分の足のサイズ(長さとワイズの両方)に合った靴を履くことがとても重要だと書きました。
しかし、実際のところ、一般的なシューズ店で販売されている
既成靴には「ワイズ表記がない」
あるいは「表記があっても積極的に提示していない」状態です。
今回はその背景と理由を探ります。
通常ワイズは1サイズ、多くて2サイズ程度しか製造されていない
日本における様々な工業製品の規格を定めているJIS(日本工業規格)に、足のサイズの規格もあります。女性用の靴のワイズはAからFまで、9サイズが規定されています。
しかし、一般的なシューズメーカーは9つものワイズの靴は製造していません。実のところ、ワイズは1サイズ、多くて2サイズ程度しか製造していないというところが多いのです。
Amazonが運営する靴の通販サイト「Javari.jp」でパンプスのワイズ展開を調べてみても、ワイズE/2Eが9割以上を占めています。
その他のワイズは、既成靴ではほとんど作られていないのです。
「ワイズ表記がない」あるいは「表記があっても積極的に提示していない」理由、お分かりいただけましたでしょうか。
基本的にワイズを複数サイズ展開していないので、
ワイズを表記する意味がないというわけです。
また、消費者側も靴選びにおけるワイズの重要性を認識しておらず足長のみで選んでいるため、企業側にワイズの情報を要求することがあまりないというのも、ワイズ表記が積極的になされないことの一因だと考えられます。
ワイズAの人にワイズ2Eの靴を販売するということ
これは実体験ですが、足と靴について全然知らずにパンプスを履いていた大学生から社会人の数年間、いつも足に生傷が絶えませんでした。
私の足は幅狭に加え、右足と左足が1サイズ違うという、
既成靴がどれも合わない足です。
しかしオーダーメイドのシューズは高額(10万円以上)なうえ、デザインのいいものが見つからなかったため、
痛くなるのを承知で既成靴のパンプスを履いていました。
痛くなるのを承知で買っている場合は仕方ない。
でも、この人がこの靴を履いたら絶対痛いぞーっていう人が
靴を購入しようとしたら、シューズ店は止めたりはしないものなのでしょうか?
(私の足はかなり幅狭のため、見る人が見ればすぐに合わないことがわかりますが、そのようなアドバイスを受けたことは一切ないです。)
自分が無知だったことは自分が悪いとは言え、ワイズAの人にE/2Eのシューズを販売することはないのになーなんて思います。
ただ、靴のフィット感は厳密には履いた当人にしかわからないのも事実であり、消費者が自分で賢い靴選びをすることが求められているのです。